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イケメンは散るために咲くんじゃない [銀幕(これまた古い)のイケメン]

映画『花よりもなほ』を見ました。
風吹けば速攻倒壊しそうなきったない長屋に住み、小ぎれいとは言いがたい着物を着てなお、群を抜いて美しい岡田准一...
もうすぐ公開終了だそうなので、ダッシュで見に行って下さい。

岡田准一演じる主人公・宗左衛門は、父の仇討ちをしようとしている若者なのですが、どーも弱っちくて...という設定です。

でも実際に映画を見てみると、宗左衛門は、弱いというより優しい。
自分にとっては仇でも、そいつの家族にとってはいいパパで、殺したら家族がどれだけ辛い思いをするか...とか。
死ぬ間際に「仇を討ってくれ」と言った父だけど、子が親の憎しみを継承することがホントウに望みだったのか...とか。
本人も気付いてないかも知れないけど、心の奥底で実はそういうこと分かっているから、「仇討ちをする」と言うのもイマイチ説得力のない感じになるのです。
復讐や報復なんてハナから不向きな、むしろそーゆうことに手を染めて欲しくないと思わせるような、優しい、優しい、お侍さん。

長屋の子供たちと接しているシーンなんかが、とくに優しげでイケメンです。
向かいに住んでる男の子が、「ねぇ、宗左さん」と話しかけます。すると宗左さんは少し静かに、「ん...?」と聞き返すのです。
子供に対して優しく穏やかな上、どこか色っぽいその様子に、「あぁ、宗左衛門さんがこの子の父親になってくれたら...」と気分はすっかり子持ちの後家さんです。

アメリカ同時多発テロ事件と、その後に続く“テロとの戦い”を受けて、「でもさー、カタキを討って復讐するのって、そんなにイイこと?」というメッセージを込めて作成されたというこの映画。
そこで岡田准一の演じた「優しさ」は、「義」とか「強さ」とかよりずっと魅力的で美しかった。
はっきり言って成功ですな!!


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