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『湖水誕生』読んだ [本のイケメン もしくはイケメンの本]

古来より「敵の敵は味方」と言い伝えられておりますが、
私に言わせれば「好きの好きは好き」です。
デイリーポータルの“ダム好き王子”萩原さんファンにならなかったらたぶん読まなかった本、
『湖水誕生』(曽野綾子/中央公論社)読了でございます。

この物語は、実在のダム(高瀬ダム)を舞台にしたフィクションです。
ダム…というのはとかく議論を巻き起こしがちなモチーフなので、
「誰にでも楽しめる感動ストーリー!」とは断言しかねます。


ただ、
ダムに限らず、
電気とか水とか、インフラ関係の仕事をする人は、
カッコイイもんだと思います。


その地味さ、目立たなさゆえに。


病気を治してくれるお医者さんとか、
火事を消してくれる消防士さんとか、
勉強を教えてくれる先生とか、
こういう人たちは、我々パンピーから見ても、ありがたさが分かりやすいです。
「この人たちがいなかったらどうなることか」っていうのが分かりやすいし、
「ありがとう!!」って言いやすいです。
(関係ないけどパンピーって死語だろうか。一般の人々、です。念のため)

だけど、
電気とかガスとか水道とかインターネットとかは、
普通に動いていることが当たり前で、
人にそれと意識されることすらあまりなくて、
意識されることがあるとしたら、それはトラブルのときだったりします。

褒められることはあまりない。
称賛されることもあまりない。
エンドユーザーから直接「ありがとう!」とは、あまり言われない。
はっきり言って地味な、社会の裏方。


それを「報われない…」とは思わない人が、
こういう仕事には向いています。
たとえ“みんなの前で褒められる”みたいな晴れ舞台がなくても、
見てる人が誰もいなくても、
自分の仕事はきっちりこなしたいし、
きっちりこなせれば「おれ仕事したー!!」って満足できる、
そういう人が、こういう仕事には、向いています。

そして、そういう人こそ、地味カッコイイというもんです。
そういう人にこそ、「あなたは誇り高い社会人だ!」と、
私は言いたい、声高らかに。


とは言え、本当に完全に“誰も見ていない”のではあまりにアレだし、
こっち側としても、裏方のカッコよさを見逃してることになって非常にもったいないので、
たまには、
「この水はどこから来てるんだろう?」
「どうやって送ってるんだろう?」
とか意識してみてもいいのかなー、と思います。
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