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銀盤ジャンパーの苦悩? [銀盤のイケメン]

先日おこなわれた世界フィギュアで、
リネンが以前から、うざいくらいにプッシュしていた、カナダのバトル選手が、優勝しました。
そりゃあ嬉しかったのなんのって、当然ここでも、彼のことを取り上げようと思ったわけです。
でも、不思議なもんです。
ちょっと考えているうちに、別の選手のことを書きたくなってしまいました。
今回、完璧な演技を披露しながら銀メダルに終わった、フランスのジュベール選手です。

何しろ、接戦でした。
ショートプログラムが終わった時点で、1位から6位までが、わずか5ポイントの間にひしめいていました。
6人とも、世界のトップ選手。
無難に3回転を跳んでもだめ。攻めに出なければ、負ける!
この状況では、そう考えるのが普通でした。
チェコの新鋭・ベルネルも、元チャンピオン・ランビエールも、世界ランキング1位の高橋大輔も、
4回転ジャンプを跳び、攻めのスケートに挑んで、そして今回は不運なことに、ミスを重ねていきました。
シロウト目だけど、みんなちょっと気負いがあったみたい。

さて、こっからが今大会の、「滑走順の綾」ってヤツなのですが。

ライバルたちの失速を見たジュベールは、3度予定していた4回転ジャンプを、1度にする決断をしました。
ジュベールが、と言うより、コーチがそう判断したのだと思います。
選手本人は、他の人の点数を、そう細かくは把握していないものらしいですから(って、解説の荒川静香が言ってた)。
残っているのは、自分と、バトル。
バトルはショートプログラム1位ですが、4回転が不得意とされているので、そうガッサガッサと点数を荒稼ぎできないはずです。
4回転は1度にしといて、残りを完璧にこなす。これで、勝てる。
この時点でのジュベールの判断は、決して間違っていたわけではないと思います。

実際、最終滑走のバトルは、4回転を1度も跳びませんでした。
しかし、ステップ・スピン・感情表現などにおいて、抜群のクオリティを見せ、
「守りに入った?」と見えた3回転ジャンプにも、加点が付きました。
平たく言えば、「4回転に勝るほど、美しい3回転だった!」と評価されたわけです。
いくらトリノの銅メダリストでも、まさかここまでとは!
こうして、バトルは初優勝を収めました。

ジュベールは、現在、世界一4回転ジャンプのうまい選手です。
もし、滑走順がもっと前だったら。他のライバルが失速するのを見る前だったら。
彼は予定通り、4回転×3度を決行し、たぶん成功していたかも知れません。
いくらバトルに加点が付いても、そうなればジュベールの圧勝だったでしょう。
ジュベールは、「4回転を跳ばずに優勝なんて、バトルには失望したよ」と、負け惜しみをしたそうです。
バトルに、「スピンもステップも含めて、フィギュアだよ」と、言い返されたそうです。
ちょっと株を下げちゃったジュベール。リネンも最初は腹を立てました。
何言ってやんでい、自分だって守りに入ったくせにっ!てね。

でも、今思えば、
本当はジュベールは、ものすっごく、4回転を跳びたかったんじゃないかな。
採点方式が変わろうが、周囲に何と言われようが、一貫して4回転にこだわり続けてきた人です。
「4回転を跳ぶことが僕のアイデンティティだ」と、いつも明言していた人です。
そこをグッとこらえて、フランスのファンのために、確実に勝つ方法を選んだ。
それが、裏目に出た。
「だってコーチがそうしろって言ったんだもんッ!」とは言えないし・・・と思うあまり、
余計にカッコ悪いことを言ってしまった、と。
こんなところじゃないかなぁ。あくまで、リネンの完全なる想像なのですが。

ちなみにリネンは、ジュベール選手がキライです。
理由はありません。大好きなバトルやランビエールにとって、一番の強敵だからです。
次に同じようなことがあったら、今度はジュベールも攻めに来るでしょう。
ただでさえ強力なジャンプに加え、表現力まで身に付けて来たらと思うと、マジで脅威です。
才能があって、努力もできて、したたかで、ちょっと憎たらしくて、最高の素晴らしい強敵です。
我らが大ちゃんの相手にとっても、不足なし!
フィギュア界の、そして、来たるバンクーバー五輪の盛り上がりには、欠かせない男です。
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