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人呼んで「風の男」 [教科書に出てくるイケメン]

白洲次郎。
...という名は、受験のとき日本史を選択した人でも、全員が知っているというわけではありません。昭和史を語る上では不可欠の人物でありながら、政治のオモテ舞台には、ついに上がらなかったからでしょう。
一言で言えば「スゴい民間人」。
軍人でも役人でも代議士でもないけど、国内外の政財界にたくさんの知人を持っていて、吉田茂首相の懐刀として、日本政府とGHQの連絡係を務めたり、通産省を創ったり、サンフランシスコ講和条約の締結に立ち会ったり...
主役ではなかったけれど、戦後の日本で、八面六臂の大活躍を演じた人物なのです。
時代を読む先見性の正確さや、人を見る直感の鋭さ、ワールドワイドな視野の広さ。
たとえ相手が、年上で目上の人物だろうと、政府の高官だろうと、占領軍の将校だろうと、ビビらず媚びず、自分の意見をズバッと述べ、堂々と対等に渡り合う。
絶大な権限を持っていた、あのマッカーサー元帥を叱り飛ばしたというエピソードもあるくらいです。
そんな白洲次郎の姿に、私たちは感動するのです。
明治から戦後の日本は、欧米に平伏し追随し模倣するばかりではなかった。こんなにカッコイイ日本人も、ちゃんといたのだ!...と。

く・わ・え・て!!
185cmもの長身に端整な顔立ち。
ケンブリッジ大学に学び、趣味はクルマにゴルフにスキー、いつもお洒落な服を着こなしている。
バンカラで、筋の通らないことにはそりゃあ厳しく憤りますが、女性や子供にすこぶる優しく、ウィットに富んだ英国風ジョークが大好きだったとか。
「いつも何かに怒っているような様子だが、ニコッと笑った時の表情は子供のように純で人を惹きつけた」という、祇園のお茶屋の女将の言葉を聞くと、『燃えよ剣』で司馬遼太郎の描いた、土方歳三に似ているような感じもします。



いや全く...こんな、容姿・人格ともにイケメンな人物が今の日本を作ったと思うと、同じ国に生まれたことが喜ばしく感じられます。みょーに自信が湧いてきます。
先日、「その時歴史が動いた」(NHK)で取り上げられましたが、11日(火)16:05~再放送があるようです。要チェキ。
参考文献:『風の男 白洲次郎』(青柳恵介 新潮社)


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曹操孟徳はここにいるぞ!! [教科書に出てくるイケメン]

モーニングに連載されていた『蒼天航路』(モーニングKC 漫画・王欣太 原案・李學仁)が完結したと、風の噂に聞きました。恐れながら古本屋でコミックスを買うだけのヨワいファンで、まだ32巻までしか読んでませんが、『蒼天航路』の曹操はけっこう好きです。
戦を恐れず、体制を恐れず、変化を恐れない曹操は、『蒼天航路』に限らず、日本では昔から三国志の人気キャラです。日本史に置き換えると、卑弥呼より前の倭国争乱時代を生きたその曹操が、後の日本の歴史に影響を与えていたとしたら、いかがですか?

歴史上に曹操が名を残したのは、戦上手で悪名高い乱世の英雄としてだけではありません。
『魏武注孫子』。魏武とは曹操のことです。2200年はゆうに超える歴史を持つ、中国の兵書『孫子』に注釈をつけた人物ということで、彼は歴代の中国古典研究者の中でも、超ビッグネームなのです。
というのもこの『孫子』。歴史がありすぎてありすぎて、オリジナルと呼べるものが存在しません(まぁ中国古典には珍しいことじゃありませんが)。曹操の時代にはすでに、プリミティブ『孫子』に後世の加筆がなされた82編ものテクストが存在したとか。
それを選りすぐって13編とし注釈をつけた『魏武注孫子』が、ながいこと“最古の孫子”だったのです。そして、現存するすべてのバージョンの『孫子』は、これをもとにしていた。曹操バージョンより古い『孫子』が発見されたのは、ついこないだ1972年のことです。

つまり。
歴史上の日本人たちが学問としてたしなんできたのは、曹操の手による『孫子』だったわけです。
洋書の面白さが訳者のウデによるように、誰が注釈をつけたかで内容が変わりうるのが中国古典。我々の知る“孫子の兵法”とは、半分は“曹操の兵法”であったと言っても過言ではありません。
知将・徳川家康も、鬼副長・土方歳三も、明治の伝説参謀・秋山真之も、みんなこの兵書を読み、戦って、歴史を刻みました。
曹操が『孫子』に注釈をつけて残してくれていなかったら、ヘタすると、日本に『孫子』が伝わっていたかどうかもアヤシイ。そうなると彼らの戦い方は変わっていたかも知れないし、日本史は別の展開をしていたかも知れないでしょう?

こーやって、自分との関わりを想像(ほぼ妄想だけど)してみるほどに、歴史はオモシロイ。
その想像(妄想)の余地がどれだけあるかで、歴史上の人物のイケメン度合いを、リネンは測っておるのです。

↓ちょいと専門的なはしがき。

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男・玄奘! [教科書に出てくるイケメン]

月9で『西遊記』が始まりましたね。
ピーターパンと三蔵法師は、昔から女性が演じる習慣になってます。
でももちろん、歴史上に実在した三蔵法師こと玄奘は、男性であります。それも、「漢(おとこ)」と表記したいほどの男性だと申し上げてもいいでしょう。

当時の中国は「唐」という名前でしたが、そこでは仏教は、インドから伝わったばっかの最先端の哲学思想でした。
本場インドからテキストを取り寄せるのですが、ラクダに乗っけてシルクロードをトコトコ運んでくるものですから、なかなか思ったようにテキストが揃いません。
シリーズものがちゃんと全部揃ってなかったり、古いやつと新しいやつがごっちゃになってたり。
「ラチがあかんなぁ... 仕方ない。ここは一発、わたしがインドまで行ってテキストを仕入れて来よう!」

当時の唐は建国まもなく、混乱を避けるために「国境破りは死罪」と定められていたそうです。
それでなくたって、インドまでの道のりは遠く険しく厳しくキケン。
お坊様なんだからお寺で無難に一生を過ごすこともできたんじゃないの、という気がしますが、彼は自分たちの学問のためにリスクを背負って、旅に出たのです。
インテリジェンス且つマッチョ、アグレッシヴでおまけにちょっとアウトロー。
それがリネンの玄奘像です。ですから、劇場版ドラえもん「のび太のパラレル西遊記」で提唱された、たくましオヤジな三蔵法師というのは、けっこう正しいと思います。
美しい女優さんの三蔵法師も見ていて楽しいですが、例えば佐藤浩市の演じる骨太三蔵法師というのも、いっぺん見てみたいものです。
もっとも、それだと孫悟空たちの出番ナイと思いますが...

ちなみに、「三蔵」というのは経蔵・律蔵・論蔵という3種類の仏教文献のことです。
三蔵法師とは、文献のエキスパートというような意味の称号で、玄奘は、インドから最新のテキストを持って帰った実績から、この称号を与えられたとのこと。
だから、天竺へ行く途中の玄奘は「三蔵法師さまっ!」とはまだ呼ばれてなかったわけですが、まぁ細かいことはね(笑)


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