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マニアック上等!! 第1回・カッコイイ仏像大会!! [教科書に出てくるイケメン]

エントリーNo.1 懐の深さはナンバーワン!! 高徳院 阿弥陀如来坐像


与謝野晶子が「美男におはす」と詠んだ、いわゆる鎌倉大仏。「たとえ悪人でも不信心者でも、すべての生きとし生ける者は自分トコの浄土に迎える」というマニフェストを掲げておられます。信じるものしか救わないなんてセコいことを言わない、抜群の包容力を誇るオトナなお方です。

エントリーNo.2 ポテンシャルは業界随一!! 広隆寺 弥勒菩薩半跏思惟像


日本国宝第一号に認定されたメジャー級。仏としてはまだユースの段階ですが、次期「如来」との呼び声が高く、「すべての生きとし生ける者を救うには、どうすればいいのか?」について真摯に考え続けておられます。メガネこそかけていませんが、中性的で思慮深げなビジュアルは、一部の女性から「萌え」との評価を受けてもおかしくないのではないでしょうか。

エントリーNo.3 哀しきアンチヒーロー!! 興福寺 阿修羅像


華奢な腕に細い腰、端整な顔はわずかに眉をひそめています。阿修羅とは元々インドの魔神で、わけあって帝釈天との勝ち目のない闘いを強いられ、負け続ける運命に。後に仏を守護する闘神となりましたが、闘いを宿命づけられた美男子の悲哀の面差しは、判官びいき傾向の強い日本人に、根強い支持を受けています。

いかがでしたでしょうか。今回は日本の仏像に焦点をあててお送りしました。次回、中国・シルクロード編でお会いいたしましょう。

※仏様の性別について※
仏教美術のイケメンを取り上げた今回ですが、そもそも仏様ってのは、イケ「メン」なのか? との疑問も残ります。
実在の人物・お釈迦様ことゴータマ・シッダールタは、当然男性です。他の仏様方も、以前は全員男性とされていました。仏教においては、女性は男性より罪の多い身であるとされていたから、当然そうだったわけです。
しかし、女性蔑視とも取れるそのような考えが現代において受け入れられるハズもなく、一昔前には女権拡張者から相当の抗議を受けたものと想像され、今では「仏様に性別はない」ということで説明するのが一般的なようです。
というわけで過去の仏像は、一応男性であるという前提で作られているのですが、昔の人も「あんまりフェロモンムンムンな男性像じゃ、煩悩ありそーすぎて仏様っぽくないなぁ」と考えたと見えて、如来・菩薩クラスの仏様はけっこうユニセクシャルに描かれています。

観音菩薩は、ユニセックスを通り越して女性であるかのようなイメージで通っています。これは多分、中国において「観音さまは前世でどっかの国のお姫様であった」という民間信仰があるためで、その辺のことは『變面~この櫂に手を添えて』(1996年 呉天明監督)という中国映画にちょっと出てきます。あと『西遊記』なんかでも、孫悟空が観音さまに向かって「嫁にいけねーぞ!」と毒づく場面があったりして。江戸時代の隠れキリシタンが、マリア像を観音だとゆーことにして押し通せたのも、このおかげですな。
一応男性でありながら、女性と見まごう美貌。加えて民衆からの圧倒的な人気。元祖ビジュアル系と言っても過言ではありますまい。じゃなぜ今回、エントリーしなかったかと申しますと、観音像はいろんなバリエーションがあって、単独で「カッコイイ観音大会」が開催できそうなくらいたくさんのスバラシイ彫刻があるからなんですな(笑)


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